「父親なんだから、もっとしっかりしないと……」
初めて育児を経験したとき、私は毎晩そう自分に言い聞かせていました。仕事から帰って疲れているのに泣き止まない我が子。妻の疲れた顔を見て、何もできない自分への苛立ち。「父親として頼りないんじゃないか」と自分を責める日々が続きました。
今振り返ってみると、あの時必要だったのは「強くなること」ではなく、「自分の心をケアすること」だったのです。
この記事では、父親である私自身が育児の中で実践してきたメンタルケアの方法と、心が楽になった具体的な体験をお伝えします。同じように悩んでいるパパたちの心が、少しでも軽くなれば嬉しいです。
Contents
なぜ父親も育児でメンタルが追い詰められるのか?
「父親は稼いで当然、育児も手伝って当然」というプレッシャー
育児をしていて最もつらかったのは、仕事と育児の板挟みでした。
「仕事で疲れてるんだから、家では休ませてよ」とは言えない雰囲気。でも妻はもっと疲れているのも分かる。職場では「イクメン」と言われるけど、家では「もっと手伝って」と言われる。
どこに行っても「父親としての期待」があって、それが重くのしかかっていました。
私が「限界」を感じた瞬間
長女の夜泣きがピークだった生後3ヶ月頃。仕事から帰ると、妻が疲れ果てた顔で娘を抱いていました。
「代わるよ」と抱っこしても泣き止まない。何をしてもダメ。妻からは「やり方が違う」と言われ、自分の無力感に打ちのめされました。
その夜、一人で泣いている娘を抱きながら、私も涙が出そうになったんです。
「父親として、こんなに何もできないなんて……」
父親の私が実践した5つのメンタルケア
①「完璧な父親」をやめて、通勤時間を自分の時間にする
最初に取り組んだのは、通勤時間の15分だけ、自分のための時間にすることでした。
教室の最寄り駅に着いたら、すぐに教室に向かわず、近くのカフェで10分だけコーヒーを飲む。
スマホも見ない、仕事のことも考えない。ただぼーっとする時間を作りました。
最初は「こんなことしている場合じゃない」と罪悪感がありましたが、この10分が心のリセットボタンになっていったんです。
実践のコツ:
- 「遅刻」ではなく「自分のための時間」と決める
- 早めに家を出て、余裕を持つ
- 何もしない時間を「サボり」ではなく「必要なケア」と認識する
②呼吸に意識を向ける「トイレ深呼吸」
イライラがピークに達したとき、私はトイレに駆け込んで深呼吸を10回する習慣を身につけました。
妻に怒られそうな時、子どもが泣き止まない時、仕事のストレスが限界な時。トイレという個室で、4秒吸って、8秒かけてゆっくり吐く。これを10回繰り返すだけで、不思議と心が落ち着いていきました。
こんな時におすすめ:
- 妻とケンカしそうな時
- 子どもにイライラしてしまいそうな時
- 仕事と育児の両立に疲れた時
③一人で外に出る「早朝散歩」
家にいると、常に「何かしなきゃ」というプレッシャーを感じていました。そこで始めたのが、休日の早朝、家族が寝ている間に30分だけ散歩すること。
誰にも気を遣わず、ただ歩く。コンビニでコーヒーを買って、公園のベンチで飲む。たったこれだけで、心が驚くほど軽くなりました。
妻への伝え方: 「30分だけ散歩してくるね。帰ったらオムツ替えと朝ごはんやるから」と、帰宅後にやることを明確に伝えることで、妻も快く送り出してくれるようになりました。
④仕事帰りに「一駅歩く」習慣
育児中、自分の趣味の時間なんて取れないと諦めていました。でも、週2回、帰り道に一駅分歩くという小さな習慣を始めました。
音楽を聴きながら、夜の街を歩く。30分程度ですが、この時間が唯一「自分だけの時間」になりました。
他のパパたちの例:
- 車通勤の人は、帰宅前にコンビニで10分休憩
- 電車の中で好きな音楽を1曲だけ聴く
- ランチタイムに一人で外食する日を作る
短時間でも「自分が自分である」感覚を取り戻すことが大切です。
⑤気持ちをスマホのメモに書き出す
これは意外な効果がありました。スマホのメモアプリに今の気持ちを殴り書きするだけ。
「疲れた」
「なんで俺ばっかり」
「でも娘は可愛い」
まとまりがなくてもいい。誰にも見せない。ただ書き出すことで、頭の中が整理され、不思議と冷静になれました。

一人で抱え込まないために:父親だって助けを求めていい
「弱音を吐けない」父親のプライド
育児初期、私は「父親として頼られなきゃ」と思い込んでいました。妻に弱音を吐くのも、友人に相談するのも、なぜか「男として情けない」ように感じていたんです。
でもある日、もう限界だと感じて、学生時代の親友に電話をかけました。
「ちょっと話聞いてくれないか」
その一言から始まった会話で、初めて本音を話せました。親友も同じように悩んでいたことを知り、「自分だけじゃなかったんだ」と救われたんです。
実際に助けてもらった経験
妻と話し合って決めたこと:
- 日曜日の午前中は妻の自由時間、午後は私の自由時間
- 平日の夜泣き対応を曜日で分担(月水金が私、火木土が妻、日曜は交互)
- お互いが限界の時は「SOS」と言える関係作り
職場で協力してもらったこと:
- 上司に育児の状況を正直に相談
- 時短勤務やリモートワークの活用
- 急な早退にも対応してもらえる体制作り
友人に助けてもらったこと:
- 月1回、飲みに行って育児の愚痴を聞いてもらう
- 同じく子育て中のパパ友と情報交換
最初は「男のくせに弱音を吐くなんて」と思っていましたが、周囲も「力になりたい」と思ってくれていたことに気づきました。
科学的にも証明されている父親の育児ストレス
ここまで私の体験をお話ししましたが、父親のメンタル不調は決して「個人の弱さ」ではありません。
父親も産後うつになる
実は、父親の一定数が産後うつを経験するという研究結果があります(約10%前後とする研究もあります)。母親だけでなく、父親もホルモンバランスが変化し、ストレスの影響を受けやすくなることが分かっています。
「父親なんだからしっかりしなきゃ」ではなく、「父親だって人間だから辛い時がある」と認めることが大切です。
仕事と育児の両立ストレス
仕事のプレッシャーと育児のプレッシャーが同時にかかると、脳のストレス反応が強まることが研究で明らかになっています。
実際、海外の医学誌『Psychoneuroendocrinology』に掲載された研究(※1)では、仕事と家庭の葛藤が強い人ほど、体内のストレス反応が正常に機能しなくなっていることが示唆されています。
私が仕事も育児も中途半端に感じていた時期も、おそらくこの状態だったのでしょう。
サポートを受けることの重要性
パートナーや職場、友人からのサポートがあると、父親のメンタルヘルスが大幅に改善することが複数の研究で示されています。
「助けを求めること」は弱さではなく、むしろ賢明な選択なのです。
今、孤独を感じているパパたちへ
もし今、あなたが育児の中で孤独や不安を感じているなら、それはあなたが「ダメな父親」だからではありません。多くの父親が同じように悩み、苦しんでいます。
私が育児を通じて学んだのは、完璧な父親である必要はないということ。大切なのは、自分の心を大切にしながら、子どもと一緒に成長していくことです。
今日からできる小さな一歩
- 通勤時間の10分だけ、自分のための時間を作る
- トイレで深呼吸を10回してみる
- 妻や友人に「実は疲れてる」と正直に言ってみる
この3つのどれか1つでいい。小さな一歩が、やがて大きな変化につながっていきます。
まとめ:父親の心が健康であることも、家族にとって大切
育児は喜びに満ちていますが、父親にとっても心身ともに大きな負担がかかります。だからこそ、自分自身のメンタルケアを「わがまま」ではなく「必要なこと」として捉えてほしいのです。
この記事のポイント:
- 父親も育児でメンタルが疲れるのは当たり前のこと
- 通勤時間や早朝など、隙間時間を活用した小さなケアが心を守る
- 助けを求める勇気が、育児を楽にする
- 完璧な父親である必要はない
あなたの心が健康であることが、妻にとっても子どもにとっても最高の環境です。どうか自分を責めずに、まずは自分自身を大切にしてください。
父親だって、一人で抱え込む必要はありません。一緒に、心穏やかな育児ライフを目指しましょう。
過去に以下のような記事も書いていますのでよければご覧ください。
☞🧸叱ることが正しいのか悩む日々|パパとしての葛藤と向き合い方をリアルに語る【子育て体験談】

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