初期配置、プロの配置、試行錯誤の事例から考える、
後悔しないモダン配置の決め方
「初期配置のまま使っているけれど、なんとなく押しづらい」
モダン操作でレバーレスを使い始めた人の多くが、こんな違和感を持つはずです。クラシックと違い、モダンでは攻撃ボタンが弱・中・強の3つに集約されます。一方で、AUTO(アシスト)やSP(必殺技ボタン)を攻撃ボタンと同時に押す場面が増え、特に親指に仕事が集中しやすくなります。私も初めてモダン操作でレバーレスを触ったときは、初期配置だとAUTOボタンを押しながら攻撃ボタンを押すのが難しく、かなり厳しいと感じました。
この記事では、モダンの配置に「唯一の正解」を示すのではなく、自分で配置を決めるための判断基準を紹介します。初期配置の確認、プロの配置の傾向、指の担当を設計する考え方、配置を変えたときの失敗例と慣れるコツまで、順番に整理していきます。
1. モダンの初期配置と、まず見直したいポイント
初期配置は「慣れの問題」だが、見直す価値はある
モダンの初期配置は、人によっては直感的に動かしにくいと感じるようです。慣れれば問題なく使える人も多いので、「初期配置が悪い」と言い切ることはできません。ただ、押しづらさの原因が配置にあるなら、変えるだけで解決する可能性があります。
定番の見直し:弱・中・強を横一列に並べる
見直しの定番が、弱・中・強のボタンを横一列に並べる配置です。左から強さの順に並ぶので、位置と役割がひと目で対応します。さらに、AUTOボタンを親指で押しながら、弱・中・強を押しやすくなります。
この配置は、将来クラシックに移行したくなったときにも馴染みやすい、というメリットがあります。元プロ格闘ゲーマーで、現在はストリーマーとして活動するハイタニさんも、モダン操作を使っていた時期はクラシックに近い配置でした(2023年7月のポスト)。
ちなみに、現在私が使用している配置もこれに近いものとなっており、弱・中・強のボタンを横一列に並べるように設定しています。ボタンの数がハイタニさんとは異なりますが、スト4の時代から8ボタン運用をしていたため、このような配置に落ち着きました。

※なお、私の配置はDIとDPがどちらも小指になっていますが、DIに特殊なボタンを使っているため成り立っているもので、一般的にはおすすめしません。
以下、愛用している私のレバーレスアケコンです。このレバーレスアケコンについてはまた別記事で取り上げたいと思います。

2. 配置を決める基準:「指の渋滞」を作らない
ここがこの記事の中心です。配置を考えるうえで最も大切なのは、次の原則だと考えています。
1つの指に、2つ以上のボタンを同時に担当させる時間を極力作らない
ボタンの数に対して使える指は限られるので、すべてを別々の指に振り分けるのは現実的ではありません。
大事なのは、兼任してもいいボタンと、絶対に分けたいボタンを見極めることです。
分けたい組み合わせ:どちらも「見てから押す」ボタン
パリィとインパクト
どちらも、相手の飛び道具や、立ち回りで飛んでくる技を見て反応したいボタンです。同じ指が担当していると、インパクトに集中したいときにパリィのボタンから指を離すことになり、パリィの反応が物理的に遅れます。
弱攻撃とインパクト
小技を刻みながら、相手のインパクトに反応したい場面があります。弱攻撃を押す指とDIを押す指が同じだと、ここで渋滞が起きます。
同じ指でもよい組み合わせ:どちらも「決め打ち」のボタン
起き攻めを受けるときの無敵技と投げは、基本的に読みと決め打ちで押すボタンです。見てから押すわけではないので、どちらかに指を添えられなくなるデメリットが小さく、兼任しやすい組み合わせです。
弱攻撃とパリィも、状況が重なりにくい組み合わせです。起き攻めに対する最速の暴れと、ジャストパリィは同時には狙いません。発生の遅い技は見てからパリィを狙えますが、その場合はパリィだけに指を添えればよく、それ以外は決め打ちで押します。
ただし、これはキャラや攻略の進み具合によって大きく変わるものです。上の組み合わせはあくまで一例として捉えてください。
モダンならではの注意点:専用ボタンの指も決めておく
モダンには、クラシックにはない補助用のボタンがあります。このボタンをどの指に置くかを決めないまま配置を作ると、後から「弱・中・強を押しながらAUTOも押せない」といった問題が起きがちです。弱・中・強と同時に押すことが多いボタンは、別の指に置くのが基本です。
自分の場合は1章の配置の画像の通り、右手親指でAUTOボタンを押しながら弱・中・強を押すという配置がやりやすかったため、近い場所に置きつつも別の指で押せるようにしています。
なお、親指にはAUTOのほかに投げも置いています。AUTOは攻撃を出している間に押し、投げは近距離で決め打ちで押すため、使う場面がほとんど重なりません。
自分のキャラで考える
同じボタンでも、キャラによって重みはまったく違います。たとえば強攻撃ボタンは、ジュリのようにキックボタンを必殺技でよく使うキャラでは、位置を変えただけでコンボミスが増えることがあります。配置の良し悪しは、「キャラが何のボタンを、どんな場面で押すか」とセットで決まります。
自分用の「担当表」を書いてみよう
頭の中だけで考えると混乱するので、次のように紙に書き出すのがおすすめです。
| 状況 | 見てから押す? | 使うボタン |
| 立ち回りで飛んでくる技に反応 | はい | パリィ、インパクト |
| 小技を刻む | いいえ | 弱攻撃(+インパクトに反応) |
| 起き攻めを受ける | いいえ(決め打ち) | 無敵技(SP+前)、投げ、 弱攻撃 |
| コンボ・必殺技を出す | いいえ | 弱・中・強、モダン専用ボタン |
この表で「見てから押すボタン同士」が同じ指に重なっていないかを確認します。重なっていたら、そこが改善ポイントです。
3. プロの配置から読み取れること
モダン操作のプロの配置は、クラシックに比べて情報が多くありません。そこで、クラシックのプロの配置から「考え方」を借りることにします。指の担当表の発想は、操作タイプが変わっても共通だからです。
※以下は、配信や動画、記事で公開されていた情報をもとにまとめたもので、2026年10月時点で確認できた範囲のものです。配置は時期によって変わるため、最新の情報は各選手の動画などで確認してください。
| 選手 | 操作 | 配置の特徴 | 参考・出典 |
|---|---|---|---|
| ハイタニ | モダン(過去) | クラシックに近い配置 | RC ハイタニ(Haitani) |
| Shuto | クラシック | 強Kを強Pの隣(上段右端)に配置。豪鬼の強K対空をとっさに出すため | https://youtu.be/zyVKdKXrcUk |
| ときど | クラシック | 強Pの隣に強K。インパクトとパリィは増設ボタンに割り当て | https://youtu.be/2cGD0RxJ0Q4 |
| ACQUA | クラシック | 初期配置に近く、パリィを親指に配置 | https://youtu.be/D_ta-ft3Mko |
| マゴ | クラシック | 試行錯誤の末、初期配置に落ち着いた | https://youtu.be/q0YBA5TH7vU |
| ももち | クラシック | 初期配置に近く、強Kを右親指の位置に配置 | https://youtu.be/LSYhBGNsFKg |
読み取れるポイント
① 初期配置に近い人も、大きく変える人もいる
プロでも全員が特殊な配置にしているわけではなく、初期配置に近い人も多くいます。「変えなければ勝てない」わけではありません。特にベテランのプロゲーマーの人たちはゲームセンターで遊んでいた時(アーケード筐体)の配置になじんでいる人が多いようです。そのため、ずっと配置を変えずにいることで配置に慣れていき、強くなったという面もあるのかもしれません。
② 変更の理由は「キャラの都合」が多い
Shutoさんは、豪鬼の強K対空を素早く出すために強Kの位置を変えています。配置の変更は、自分のキャラの技を押しやすくするために行うものだと分かります。モダンでも、使うキャラの必殺技やコンボに合わせて考えるのが基本です。
③ 試行錯誤して「戻ってくる」人もいる
先ほどの表のとおり、ベテランのマゴさんのように、いろいろ試した末に初期配置に落ち着く人もいます。初期配置は、多くの人にとって無理の少ない配置だと言えそうです。
④ 親指の使い方に工夫が集まっている
パリィを親指に置く人、強Kを親指の位置に置く人など、親指の使い方に工夫が集中しているのが分かります。モダンの配置を考えるときも、まず親指に何を任せるかを決めると整理しやすくなります。
小ネタ:ときどさんの「フェイクボタン」
ときどさんは、右下に何も割り当てていないボタンを置いています。オフライン対戦で、このボタンをあえて押して音を出し、相手に「ボタン音から操作を読まれる」ことを防ぐ工夫です。配置が、操作性だけでなく対戦の駆け引きにも使われている例として面白いですね。
ときどチャンネル / Tokido
※14分26秒あたりからボタン配置について話されています。
4. 実践編:配置を変えて分かった失敗と学び
頭で考えた配置が、実戦でうまくいくとは限りません。ここでは、実際に配置を試行錯誤した例から、モダンにも通じる学びを整理します。
事例:親指インパクトは、私には活躍しなかった
当初の配置では、「親指でドライブインパクトを押せる」という点に期待して、
親指にDIを割り当てていました。親指DIは恩恵が大きいと聞いていたからです。
しかし実際に使ってみると、
AUTOを押しながらDIを押したい場面で親指が足りない/運指が難しい
という問題がありました。
親指はAUTOの操作にも使うため、DIに指を添えておく余裕がなかったのです。
そこで、DIを小指に移し、空いた親指に投げを割り当てました。
投げは決め打ちで押すことが多く、親指に置いても、他の操作との干渉が少なかったからです。
その結果、AUTOを押しながらの操作が安定しました。
「親指でDIを押せると強い」という話は広く聞きますが、
自分の使い方や、他のボタンとの兼ね合いで、合わない人もいます。
大事なのは、広く言われていることではなく、自分の指の使い方に合っているかどうかです。
事例から学ぶ教訓
- 小指は、単発で押すボタンなら使える(私の場合はDIとパリィを担当させているが、特殊なボタンを使っているため成り立っている)。
ただし、押しながら他の指を動かす操作は苦手。
親指は便利だが、同時に押すボタンを任せすぎると足りなくなる - 1回で完成形を目指さない。 試して、気づいて、直すという繰り返しが前提になる
5. 配置変更を成功させるコツ
① 変更は「入れ替え1〜2か所」から
大きく配置を変えると、変更前の癖と変更後の配置が頭の中で混ざり、ミスが続出します。実際に私もボタン配置を変更してから一晩集中して練習した結果「頭の中が混乱してぐちゃぐちゃになる」という経験がありました。今の配置との差を小さくするのが、慣れるまでの時間を短くするコツです。
② 慣れるまでの目安は「1週間で違和感が減り、2週間で実戦投入」
スマブラからスト6に移った友人の話では、ボタン配置を何度も変えた経験から、1週間ほどで慣れを感じ、2週間ほどで問題なく使えるようになるそうです。個人差はありますが、「数日で慣れないからダメだ」と判断しないための目安になります。
③ ホームポジションを決める
「どの指を、どのボタンの上に待機させておくか」を決めましょう。たとえば次のような決め方があります。
- 親指:AUTO、投げ
- 小指:インパクト、パリィ(第1章のとおり、特殊なボタンを使っているため)
- その他の指:指の腹が、上段と下段のボタンの中間あたりに来るように置いておき、どちらにも届きやすいよう工夫する
このように、待機位置から「どのボタンに最短で届くか」を意識して決めます。
④ 周辺設定の見直しも忘れずに
見落としがちなのが、トレーニングモードのショートカット設定です。たとえばリセットボタンは、一番押しやすい場所に置きたいもの。配置を変えると、そこが別の用途のボタンになってしまい、ショートカットの割り当てを全体的にずらす必要が出てきます。実はこれが、一番慣れるのに時間がかかる部分かもしれません。
⑤ 気持ちの面での対策
慣れないうちは、自分の意図どおりに動かせないもどかしさが続きます。普段はランクマで感情が揺れない私でも、配置変更の直後は「久しぶりにキャラを思い通りに動かせなくてイライラした」と感じることがあります。これは配置が悪いのではなく、変更直後の自然な反応だと思っておくと、気持ちが楽になります。
6. まとめ
- モダンの配置にも「唯一の正解」はない。 プロでも、初期配置に近い人と大きく変える人がいる
- 基準は「指の渋滞を作らないこと」。 見てから反応するボタン同士は、別の指に分ける
- 決め打ちで押すボタン同士なら、同じ指でも問題ない
- モダン専用ボタンも、担当する指を先に決める。 弱・中・強と同時に押すボタンは別の指に置く
- 変更は小さく始める。 1〜2週間を慣れの目安にし、トレモの設定も含めて見直す
- 広く「良い」とされる配置でも、自分の指の使い方に合うとは限らない。まず試して、合わなければ直す。


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